2019-10-16
RESAフォーラム「ドイツのエネルギー戦略と我が国での取り組みの方向性について」
10月10日、RESA(一般社団法人不動産総合戦略協会)主催のフォーラムに代表の前田が参加しました。講師はドイツ在住の環境ジャーナリスト・コンサルタントの村上敦さん。代表を務める一般社団法人クラブヴォーバンは日本国内で「持続可能な低炭素型のまちづくり」をめざすネットワークで、中心メンバーの早田宏徳さん、中谷哲郎さんは環境未来フォーラムの会員でもあります。
大型の台風19号が近づく中、冒頭で日本人とドイツ人の台風への備え方の違いの話がありました。立ち位置と方向の確認から始め帰納的に進める日本人に対して、目的の定義・枠組みの決定から始めて演繹的に進めるドイツ人。エネルギー戦略に関しても、両国の国民性の違いが表れているといいます。
講演では2010年に策定されたドイツのエネルギー戦略を中心に、2050年までに一次エネルギー供給量半減の目標を達成するための3つのポイント、①再エネ電力の大々的な普及、②自動車交通のEV化、③建物の省エネ化について豊富なデータに基づく解説がなされました。ドイツでは約900万人、国民の9人にひとりが太陽光発電のオーナーで、再エネ電力の3分の2を市民や自治体を含む地域で所有しています。日本は8割が地域外・大企業の所有です。ドイツと日本のエネルギー政策の差・市民の意識の違いを痛感するとともに、地域による自前の電力の確保が今後のエネルギーシフトのカギを握ると感じました。
100枚近いスライドを使用した講演は1時間半の枠ではとてもおさまらない濃密なお話で、当フォーラムでもぜひ会員の皆様に聞いて頂きたいと思いました。村上さんの次の来日にあわせ、意見交換会を企画したいと思います。