【7/12に流域治水フォーラムを開催しました】
2022年度最初のフォーラムは「流域治水」をテーマに7月12日(月)の午後開催しました。リアル(参議院議員会館)とオンライン(Zoom)のハイブリッドでの開催でした。会場には10名ほどの参加者が集まり、オンラインでの参加者を交え、議論を行いました。
基調講演は「流域治水とカーボンニュートラル」と題して、国土交通省水管理・国土保全局前局長の井上智夫氏にお話し頂きました。井上氏は6月末に国交省を退官されたばかりですが、快く講演を引き受けて下さいました。近年毎年のように頻発する集中豪雨・大規模水害、気候変動を受けた治水計画の見直し、流域治水への転換といった国の政策をわかりやすく解説頂き、省庁の壁を越えた連携による流域治水推進行動計画や、利水機能(再生可能エネルギー創出)の強化に資するダム運用の高度化など、最新の取り組みも紹介して頂きました。
基調講演に続き、当フォーラムの坂本弘道理事より「矢作川カーボンニュートラルプロジェクト」の報告を行いました。昨年愛知県が行ったアイデア募集に応募して採択された「流域治水プロジェクト」の提案内容、昨年9月に行われた愛知県・大村知事の記者会見での発言、庁内に委員会を設置して検討された矢作川CNプロジェクト対策案の概要についてお話し頂きました。
後半は井上氏と坂本理事の対談を軸に進められました。「水循環基本法を流域治水にどのように活かしていくのか」という前田代表理事の質問に対して、井上氏は「流域治水は水循環基本法の考えのひとつのツール」と答えました。「インフラとまちづくり、災害時の避難等の全体の形はできたが、日常の水管理の問題等はこれから」とのことです。
坂本理事からは「日本の水全体をどう持っていくべきかというシステムが上手くいっていないのではないか。水はどうあるべきか具体的に捉えていきたい」との指摘がありました。
愛知県からオンラインで参加された久保様からは「水インフラの安全性、安定性も極めて重要。地域の生業、文化、生活、産業を守ることも治水のミッションである」とのコメントを頂きました。
最後に、愛知県政策顧問を務める当フォーラムの植村理事から「新しい資本主義に基づく新しいPFI、PPPをこの分野で捉えてプロジェクトとしていくことが重要。カーボンニュートラルや地方創生など社会貢献をどうやって実現していくのか。その中では官民の役割分担が大変重要」との指摘がありました。
ご参加、ご視聴いただいた皆様、ありがとうございました。環境未来フォーラムでは、流域治水のテーマに継続して取り組んでまいります。
会場の様子